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夏の戦い2009

すっかり涼しくなって夏も終わった感があるが、
これはまだ空に入道雲がモクモクと出ていた頃の話である。


わが家の近くにはこんもりとした森があり、夏になるとそこから色々な虫が飛んでくる。
カブトムシやクワガタなどの、虫嫌いな私でもなんとか許せる範囲のものから、
思い出そうとするだけで気を失いそうになるほどありえない色と形をした蛾まで、
マンションの廊下はもう毎日が昆虫博覧会みたいな感じだ。

しかし、この家に住んで5年間、わが家では一度も奴を見たことはなかった。
たとえ廊下が昆虫図鑑と化していようと、
仕事部屋にヤモリの赤ん坊が生息していようと、
断固として奴の住居侵入だけは阻止することに成功していたのである。


そんなわけで、私はすっかり奴がこの世に存在するということを忘れかけていた。
だからその日、オヤスミ前にちょっとお茶でも飲もうかしらどっこいしょ、と
リビングのテーブルに腰を下ろした時、Dの

「ゴだーっ!!!」

という叫びを聞いた私は、天地がひっくり返るかと思ったのである。


「外ゴだ、これ外ゴだよ!」

と解説するDを尻目に(今、奴の出身地なんかどうでもいいではないか)、

「ハルッ、和室っ!」

と私は叫んだ。
ハルが脱兎のごとく和室に飛び込む。

「Dっ、玄関左にゴキジェットっ!」

Dが音速で玄関に飛び出した。
自分でもどうしてこんなに素早く頭と口が回ったのかわからない。

かつて、わが家がこれほどまでに見事なチームワークを見せたことがあっただろうか。

09082601.jpg


そして、私がこれほどまでに瞬時に的確な号令を出したことがあっただろうか。

09082602.jpg

昔は奴を見ると気を失いかけていたのに、私もずいぶん強くなったものだ。

そんな感慨にふけりながら、
私はハルが出てこないように静かに和室の戸を閉め、

「よし」

と呟いて奴から最も遠い柱の陰に隠れたのであった。


09082603.jpg

面目ない。



だって怖かったんだもーん。

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